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バンコクの奴隷商人 第2章 空港にて

EasyCapture101.jpg

「10時35分か。」
腕時計で時間を確認した私は、吸いかけのマールボロを
地面に捨て、靴のかかとでもみ消した。 LAからの飛行機
がようやく到着したのだった。私はただ一人の乗客を見つ
けることが目的だった。ドイツ人団体旅行客の背後で待ち、
出口に殺到する乗客たちの中で、背中に荷物をしょってい
るものがいないかと注視していた。
インターネットの掲示板に書き込まれた情報で得られたの
は服装についての曖昧な情報だけだったー「ピンクのナイ
ロン製ウインドブレーカーとデザイナー・ジーンズを身に
着けて眼鏡をかけた、赤毛だが若くて魅力的な肢体の持ち主」
―後半はともかくとして彼女を見抜くのは簡単だった。

腹を立て、混乱し、そして、アメリカ人らしい発音で制服を
着た移民局事務官にまくし立ていた。 私はもううんざりして
いる係官と、くだんの若い女性に偽のDEA(アメリカ合衆
国の麻薬取締局、Drug Enforcement Administration、
略称:DEA。司法省の法執行機関であり、国外におけるアメ
リカの麻薬捜査の調査及び追跡に関する単独責任を有して
いる)バッジをみせびらかしながら近ずいていった。

きちんとしたスーツ姿のアメリカ人、しかも同性の接近に
彼女の警戒心が曇るのが手に取るようにわかった。彼女は
見上げながらいいました。
「一体全体、ここはどうなってるの?」

私は、係官の手からパスポートを奪い取り、 一見すると公式
書類のように見えるあるものを渡した。それはVopatからの
手紙だった。彼女は微笑みお辞儀をすると 私たちを空っぽの
オフィスヘ導き、その後、姿を消した。

「メグ・ライアンさんですね」私は丁寧に尋ねました。

彼女はうなずき、次に、大げさに首を揺さぶった。「正確には、
メグ・ライアン・リンスキーだわ。だって私たち昨日結婚したんだ
もの、で、私の夫はどこにいるの?私たちの荷物に関して何かを
チェックしなければならないと言われて彼はどこかへ言ったわ。
すぐ帰ってくると思ったのに」、べつに驚いてはいない、こんな
ことにはなれている、という口調だったがそれが虚勢なのは明ら
かだった。彼女は単におびえて震えている神経質な少女に過ぎな
かった。

私はうなずきました。「ええ、たいした問題ではありませんよ、
ライアンさん。すぐに戻ってくると思いますよ。彼は、あなた
のバッグを識別するように依頼されたんです。お気の毒なことに
あなたのとそっくりのバックの中から、 禁止物質が見つかった
のです。 私たちは、それがあなたのものでないことを知って
います、ただ分類するのにちょっと時間がかかるでしょう」
私は説明を続けた。密輸出入者は、荷物をあなたのものと見せ
かけようとします。ご存知かもしれませんが、われわれDEA
はここバンコクでタイの政府関係者と働いて麻薬密輸を未然に
防ごうとしているのです。ヘロインとかアヘン(ハシッシュ)とか――」
彼女は緑の目見開いて言いかけました。「まさかドナルドを疑って--」
私は首を振りました「いえ、もちろん、疑ってなんかいません。
私たちは彼の記録をチェックしました。 とりたてて不審なところ
はありませんでしたよ。」彼女は短く当世風にカットされた
オレンジの赤毛を揺さぶって首を縦に振りました。 彼女は、
素晴らしく似合う眼鏡に手をやって調節したが、その爪には
綺麗に手入れが行き届き、マニキュアされていた。
「絶対白、というわけではないのね。」彼女は私を疑り深そうに
見ました。
「それはまあ調査中ですから」私はもう一度パスポートを見た。
20歳ー言葉使いから明らかに東部出身であることがわかる。
「まだ学生さんなんでしょ?」
「ええ、あと半年で卒業なの。ドナルドは1学年上なの」
彼女は説明した。私には飾り気のないセーターとスカートを穿き、
教科書の入ったかばんを手に、キャンパスを闊歩するはつらつと
した女性の姿が眼に見えるようだった。知的で自分の能力と、
未来になんの疑いも持たず、結婚しても上昇志向を失わない・・
バランスがとれていて保守的で、未来はすべて自力で切り開ける
と思っている
・・それがメグ・ライアンの世界だった・・・ただし昨日までの。
EasyCapture102.jpg

「結婚まで我慢できなかったから来てしまったの。駆け落ちね。
新婚旅行でバンコクへってわけ。最期まで周囲を騙しとおしたんで
、私たちがここにいるのを知っている人はだれもいないわ。」。
彼女は私のことを少しも疑っていないようだった。彼女は、
無意識に金の十字架像のついたネックレスを弄んでいた。
「私たちが麻薬業者と間違えられるなんてー弁護士を呼んだ方が
いいかしら?」
私は手をふって笑ってみせた。「こんなことは日常茶飯事ですよ。
ご心配なく。あなたのドナルドがバッグを探して、単なる間違いだ
とわかればそれでおしまいです。」
今頃Donald はなくなった彼のバッグを探しにChangi 空港の.
一番はずれの倉庫までくねくねと長い空港の通路を歩いている
だろう。 金を握らせてそうするように私が仕組んだのだから・・
あと1時間はかかるだろう。私は安心させるように微笑んだ。そろ
そろ勝負の時間だ。私は彼女をしみじみ眺めた。とびきりの美人と
はいえないが10点満点で7点ってとこか?顔は上出来だ。知的な
緑の眼差し、秀でた眉、薄い唇、高く形の良い鼻。背が高く、
しなやかですらっとした肢体。
細い腰に、丸く引き締まった運動選手のようなヒップ。 もし彼女
のオッパイがもうちょっと大きかったら、更に点数が高いのだが・・・

「上着をお預かりしましょうか?バンコクはとても湿度の高い場所
でしょう?。」
薄い赤い唇をすぼめて、感謝の微笑みを浮かべながら彼女は首を
横に振りました
「いいえ、けっこうですわ、ドナルドが帰ってきたとき、私がどこ
にいるか探す目印ですから。」
私は微笑みました。「おっしゃるとおりですね。それではあなたに
飲みものを取って来させましょう。たいした時間ではありません。
そのあとで私は、大使館付きの自動車であなたとドナルドをホテル
へお送りしましょう。ご不便をかけたせめてものお詫びに、」

彼女の碧眼は閃きました。「大使用車での送迎ですって! すごいわ・」
「ええと、お名前は・・」
「.ジャクソンです、奥様。」
「それじゃ、おまかせしますわ。」
「わかりました。それではまずお飲み物から」
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テーマ : 官能小説・エロ小説
ジャンル : 小説・文学

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