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ブロンド司書の転落

ブロンド司書の転落
From "Librarian's Bondage  by Zawacky"    
EasyCapture1-2.jpg

「○○図書館はあと15分で閉館します。ご利用の方はお早め
に願います」
アナウンスが流れると、利用者たちは一斉に帰り支度を始め、
職員たちもそわそわと落ち着かなくなった。金曜日とあって早く
家路につきたいと思う気持ちは図書館職員とて同様だった。
「残り番はあなたね、ブリジッド。よろしく。」
「任せてください。ちゃんとやりますから。」
主任司書のスーザン・ブライアントから残り番をいいつかったの
はブリジッド・マルティンーー一番若い司書で、溌剌としたその
勤務振りは利用者からの評価が高かったが、先例にとらわれ
ない発言で、職場に混乱を起こすこともしばしばだった。男性
職員に人気のある彼女のことをかならずしも快く思わない女性
職員も多かった。
「コーヒーを入れておいたわ。今日はほかにもいろいろあったし、
喉が渇いたでしょ。」
「ありがとうございます。」
ブリジッドは遠慮なくカップを手に取った。
(ちょっと苦いわね・・好みの味じゃないけど・・)
一口すすって首をかしげたブリジッドだったが、喉が渇いていた
こともあり、一気に飲み干した。
「ありがとうございます、とっても美味しかったわ。」
「そう、それはよかったわ。じゃあ私は失礼するわね。」
「私も見回りにいってきます」
スカートを翻してオフィスから出て行くブリジッドは、その背中を
スーザンがどんな表情で見送ったかを知るよしもなかった。

「そこの2人、そんなところで何をしているの」? ここは市立図書
館のビデオコーナー。金曜日の閉館間際の出来事だった。すで
に閉館15分前のアナウンスが流れており、主だった職員たちは
残り番に仕事を託して帰り支度を始めていた。
 そして本日の残り番?図書館司書の中で最も若いブリジッド・
マルチンがブロンドの髪をなびかせて見回りを行っている最中に、
ビデオブースに残っている2人を見つけたという訳だった。
少年たちはぎょっとしたようだった。いけないことをしていたところを
つかまった、まずい、という緊張感が、その表情に漂っていた。
「なにを見ていたの?そこの君」
彼女は少年の方に掌を上にして腕を突き出し、ビデオのリモートコン
トローラーの手渡しを要求した。 「いえ、何も見ていないですよ。」
少年の一人はそう言いながらも黒いコントローラーを図書館司書に
渡さざるを得なかった。 「ほら、もう一人、いつまでヘッドフォーンを
つけてるの。」 太り気味の学生は、ヘッドフォーンをはずして机の
上に置いた。 「君たちがどんな代物を見ていたのか確かめさせて
もらうわよ。」 若い司書は、少年たちをかき分けるようにビデオの
前に進み、ビデオ・プレーヤに遠隔コントローラーを向けてスタート
ボタンを押した。 少年たちは司書の後ろにまわると。表情を一変さ
せて、笑顔でハイタッチをした。 「あの、それは、その・・そう研究で
す・・・歴史プロジェクトのためなんです。」 少年の一人はさも困った
ように言い訳をした その声が耳に入るないかのように図書館員は
画面をみつめていたが、その顔が深紅に染まるまでたいした時間
はかからなかった。スクリーンに映った映像は彼女の心を突き通し
たのだった。 充血した目をした少女が、悲しげにこちらを凝視して
いた。
カメラはゆっくり遠ざかり、少女の口に装着された革製の口枷を映し
出した。少女は、苦しそうに首を揺さぶり、明らかに苦しんでいるよう
に見えたカメラがさらに遠ざかり、ついに急に少女の全身を捕らえ時、
図書館員の鼓動は高まった。彼女は素っ裸で、その両手は頭上高く、
平行に立てられた2本の金属製の棒にくくりつけられていたのだった。
それぞれの棒には床から12インチくらいのところに短い突起があり、
フードつきの僧服のような衣装をつけた男2人が、この突起の上に足
を置き、左右の足首を金属棒に縛り付けるところが映し出された。
「なによこれ、どこから手にいれたの?」
図書館司書はスクリーンから視線をそらしていった。
「だから、研究だと・・ええと、中世史の」少年の一人が説明した。
「馬鹿いうんじゃないわ。.」 司書はできるだけ、荒々しい声をだした。.
喉はカラカラに渇いていた (おかしいわね、さっきコーヒーをのんだば
かりなのに・・喉がよけいにかわいて身体も火照るみたい)
「これはポルノでしょう。どこで手に入れたかって聞いてるの。」
「それを聞いてどうするんですか、まさかコピーが欲しいとか」
少年は嘲るような調子でいった。
「いいかげんにしなさいよ、確かあなた方は隣のK学園の生徒ね。
いいわ、このビデオはとにかく預かります。月曜日にでも学校に
連絡するわ。とにかくもう今日は閉館だからさっさと帰りなさい。」
「ぼくだったらもう少し賢い選択をしますね。」
少年の口調は横柄で自信過剰だった。司書はできるだけ平静をよそおい、
もはや相手にしないという態度をとったが、 少年が仲間をひっぱるようにして、
彼女の身体にふれるばかりにしてビデオブースを出るときに、ティーンエイ
ジャーの恐ろしい顔をちらりと見た。
「とにかく決定を下す前に、よくごらんになることをお薦めします。だって画面に映って
いるのはあなたかもしれませんから。」 少年は、ウインクさえして、図書館を出ていった。
  

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