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キャロルの過ち 第2章 孤独の始まり2

ークアップを終えたちょうどその時、電話が鳴り、迎えの車がついたことが知ら

された。鏡で最終チェックして、キャロルはともかくも自宅をあとにした。

 彼女がようやく夫に会えたのはレストランの前で車を降り、プライベートダイ

ニングルームに案内されたときだった。どうなっているのとたずねたが、返ってきたのは

わからないという返事だった。彼も、上司からキャロルと一緒にここに招待する、とだけ

連絡を受けたというのだ。夫もキャロルと同様わけがわからず、当惑しているようだった。

photo_04.jpg


席について初めてキャロルは、アメリカ南東部担当の副社長、デーブのボス、フランス代表

のラルフ=ボーネ、それに代表取締役社長という錚々たるスタッフに紹介されたのだった。

キャロルは感銘を受けると同時に、なぜここに自分がよばれたのか不思議に思った。前菜が

配られている間に、社長が夕食会の理由を説明し始めた。

「デイブとキャロル、あなた方は、おそらく突然夕食会に招待されて理由がわからず

不安に思われているかもしれません。我々はデヴィッドの仕事ぶりをしばらく観察させて

もらっていました。彼はフロリダ州の新しいポジションでも卓越した業績を上げている、

それは衆目の一致するところです。しかし会社全体を考えたとき、我々は彼がさらに上位の

仕事にふさわしいと判断しました。つまり欧州事業担当副社長に抜擢することを決定した

のです。居住地はパリに用意してあります。あなた方の別荘は会社の経費で確保するし、

デイブとキャロルのためフランスに2週間以内に移転するすべての必要な手配をします。」

 デイブはショックを受けた!ヨーロッパ副社長。一瞬言葉を失った。一方キャロルは

ゾッとした。彼女はようやくフロリダに居を定めたばかりなのに、彼らは彼女をピック

アップして外国に連れて行こうというのだ。彼女はフランス語もできないのに!感情を

押し殺してキャロルはディナーの間中静かで、時に笑顔を浮かべながら話していた。

デイブは興奮してこれから何をするかを興奮して話し合っていた。


ディナーが終了し、デイブとキャロルが帰宅の途についた。キャロルはもはや涙をこらえ

切れなかった。一人で残されるのは耐えられてもフランスに移住することには耐えられな

かった。子供たちと別れ、さらに海を越えて外国生活をすることには絶えられなかったのだ。

その日2人は夜遅くまで話し合った。

 何日も話し合った結果、当分の間キャロルがフロリダ州にとどまりと、夫はフランスで

新しい地位に就くために移動することで合意が成立した。これは、難しい決断だったが、

当分の間、2人ともそれで折り合うことができそうだった。実際に会うか、電話で話すか、

いずれにせよ、デイブは大変多忙になり自由な時間がなくなりそうだ。

デイブとの別れの日が近ずき、キャロルはようやく感情を制御できるようになっていた。

いよいよデイブが飛行機で飛び去ったときも彼女はとりみださずにすんだ。

しかし彼が搭乗ゲートに上っていったとき、ある種の孤独感が彼女を包んだ。彼女はフロ

リダに一人残され、近くには家族も友人もいないのだ。何をすればいいの?涙で頬を濡らし

ながら、彼女は静かで人気のない家に帰ったのだった。キャロルは運動とマンションの清掃

に精を出した。車も洗い、整備もした。モールが彼女の避難所だったが、そこにも友人と

よべる人はいなかった。に彼女と一緒に発見を共有する誰もが孤独な場所だった。デイブは

頻繁に電話をくれたが、その内容は、ほとんど彼の新しい仕事についてであった。彼は嬉し

そうだったが、彼女は彼に心配させまいと彼女の寂しさを隠したのだった。彼女は子供たち

に電話してみたが彼らはいつも忙しく、おしゃべりしている暇はなさそうだった。彼女は

寂しさをより強く感じるようになり、時がすぎるにしたがってますますおちこんできた。

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