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キャロルの過ち 第11章 意地悪な女店長

「あそこにあるのが指定の店だわ・・・」

キャロルはそのフェティッシュ・ショップの反対側の通りに立っていた。

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ジョギングしているならともかく、立ち止まっていては人目につくし、第一

あまり躊躇している時間はなかった。

大きな深呼吸をして、キャロルは通りを横切って店の中に入っていった。

室内は冷房が効いていて、露出度がキャロルの格好では震えるくらくらい

だった。内部は大きく、一見して品揃えも豊富なのがわかった。皮革製品や

クロム製のBDSMプレ用具やゴム製のフェティッシュな衣装もみえたがこう

いう方面に全く不慣れなキャロルにとっては目がくらむ思いだった。

 キャロルが入り口近くでたたずんでいると、娘のへザーより若いくらい、

おそらく19歳くらいの女性が近ずいてきた。彼女は愛想よく、しかしキャ

ロルの格好に明らかに軽蔑のまじった眼差しで見ながらいった。こんな店

に女性が一人でくること事態、珍しいことに違いない。

「何かお探しですか?」

「ええと、あの・・私の友達に、なんというか・・買い物をしてくるように

 言われたの。ここにはなんでもあるっからって。」

「ええ、その通りですわ」

 少女はニヤニヤ笑いながら行った。

「しばらくお待ちください」

 少女は奥に歩いてゆき、別の女性をつれてきた・・おそらく自分と同年輩

だったが、キャロルが裸より多少は増しという程度の襤褸をまとっているの

に対し、この種の店には不釣合いなほど完璧なビジネススーツに身をつつん

でいた。

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「あなたのお友達の名前は?」

まさかこんな質問をされるとは思わなかったのでキャロルはとまどった。

「ポ、ポーリーヌ・ああ、ポーリーヌ・レアージュ(Pauline Reage)」

思わず、頭に浮かんだ名前を口走ってから、キャロルは顔を赤らめた。

それは昔、女子社交クラブで大勢の前で朗読させられた「O嬢の物語」の

作者の名前だった。年配の女性は口を少し曲げただけで何も言わなかっ

たが何もかもわかっているようだった。

「そう、それで何をお探しですか?」

しばらく沈黙したあと、キャロルはようやく口を開いた

「ええ、まず、バイブレーターがみたいわ。」

キャロルは消え入りそうな声だった。

「なんですって、よく聞こえないんですが?」

年配の女性は無表情で言った。2度とそんな言葉を口にしたくはなかった

がぐっとこらえて少し声を大きくした。

「バイブレーターよ。」

「ごめんなさい、まだよく聞こえないですけれど」

年配の女性は相変わらず無表情だったが、ようやくキャロルは意図的に辱

めを受けているのだと悟った。

「バイブレーターをみせて頂戴!」

キャロルはありったけの声で言った。その声を聞きつけて店内の男性客が

振り向いたほどだった。キャロルは顔を赤くした。

「わかったわ。ところでそれは誰が他のヒトがつけるの、それともあなた

自身?」

「ええ・・私よ」

キャロルは、店内の客を意識して小声で答えたが、それでも顔が赤く

なった。

「申し訳ありません、奥様。もう少し大きな声でおっしゃっていただか

ないとご案内ができないのですが・・」

「私が使うのよ」キャロルはおとなしくするのをあきらめて答えたが、店内

の同じ顧客が嘲り笑うのが聞こえて再び顔を赤らめたのを見て年配の女性は

初めて口元にかすかな笑みを浮かべた。

「こちらへどうぞ、奥様。」

キャロルは2人の店員といっしょに移動して、ガラスケースの前についた。

顧客がよく見えるようにその高さは腰にも届かなかったが、その中には大小

様々なディルドが陳列してあった。

「あらゆるタイプが用意してあります」

店長とおぼしき女性は言った。

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