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第三章 阿吽の呼吸

「つまり、あのけしからぬ好色本を見ながらもう
 片方の手で恥ずべき行為に耽っていた、そう
 お前は報告しているわけだな?」

やれやれいつもの癖がはじまったとファンは思った
(現実を自分の妄想にひきつけて強引に解釈したり
想像したりして楽しむ・・まあわからないではない
が、ここはいつも通りお付き合いするか)

「はい、まあそういうことです。ですがご主人さま
 あれはあんな若いお嬢様方には罪作りな悪戯で
 ございますな」

「まあいいさ。どうせ今日からあの頭は空っぽな
 くせに肉体だけは素晴らしい尻軽娘どもには
 ヘンダーソン流のありとあらゆる恥辱と苦痛を
 教え込み、一風変わった快楽を味あわせてやる
 のだからな。それからどうした?」

ここからは俺の腕のみせどころだ、とファンは
考えた。事実を報告するのではなく、ご主人さま
が喜ぶようなストーリーを創作するのだ・・・
長年かかって築き上げた主従の阿吽の呼吸だった

wank3.jpg


「すぐに灯りが消えて暗くなりましたが、長いこと
 ベッドで転々と悶える音や悩ましげで甘い呻き
 声が聞こえましたです、はい。そして今朝私が
 ベッドを片付けにまいりますと・・」
あえてファンはひと呼吸おいた
 「どうした?何があったんだ?」
ヘンダーソンは好奇心を顕わにして訪ねた

 「あの本は行方不明でした。それと、口に
出すのもはばかられるのですが、シーツに染みが
広い範囲に・・・おわかりでございましょ?」
 ファンのしたり顔の報告が終わった時、ヘンダー
ソン卿の顔に邪悪な喜びの微笑が浮かんでいた。

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