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第二章 企みの始まり

庭を散策するチャーミングな娘
たちの若々しい声と姿を窓にもたれて追いな
がら、この屋敷の主、ヘンダーソン卿は忠実
な召使いファンに言った
0106dddキャプチャ
「エルシイに伝えておいてくれないか。夕食の
一時間前までにあの魅惑的なマドモアゼルたち
にそれぞれお似合いの新しいドレスを選んで
着付けを手伝うように、とな。
 それから、ファン、もちろんお前の眼であの
娘たちがキチンと身仕舞いをするのを確かめる
のも忘れずにな。何事も始めが肝心だ。今夜
からあの野放図に育ちすぎたアメリカ娘たちに
英国流の作法を調教してやるとしよう。昨夜の
報告をまだ聞いていないが、私の命令通りにした
のだろうな?」
 主の質問に、中国人の吊り上がった細い眼が
笑い、黄色い歯を出してニヤリと笑う。
「もちろんでございますとも、ご主人さま。お言
いつけ通りあの本をベッドのすぐ下の床におい
ておきましたよ」
「ふむふむ、それからどうなったかね?」
「あの美しい窓混ぜるは本を拾いあげてパラ
パラとめくると、顔をしかめてポイっと部屋の角
に放り投げました。ところが寝巻きに着替えて
ベッドに入る前になってそっと足音を忍ばせて
きて、本を拾っていらしたのです」
liu-girl-reading-24x30.jpg


「ほほう、その時お前はどこにいたのだ?」
「例の隠れ場所の覗き穴に眼をあてておりま
したのですよ。それからドアの鍵をかけて
ベッドに横になって片手でページをめくりな
がら、大層熱心にお読みでした」
 ファンの黄色い平べったい顔全体に淫ら
がましい下衆な笑顔が広がっていった。

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