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第一章 電話
それはWalker夫妻が結婚1周年を記念して行った一週間にわたる船旅から2ヵ月
あとのことだった。
ローリー・ウォーカーは、産婦人科医院の看護婦からの電話を受け、息をのんで
その事務的な言葉に聞き入ったあと受話器をおいた。彼女の窓際の机から、
ウオール街を呆然と見渡しながら、ローリーの心はすっかり錯乱していた。
愛する夫と航海に出かける前を天国とするなら、事態はすっかり正反対となり、
彼女が今いるのはいわば地獄の入口だった。
彼女の心臓は重く脈打っていた。
船旅はなにもかも素晴らしかった。おいしい夕食を共にしたあと、公海上に出
てからはさまざまなエンターテインメントが始まった。船旅の準備に疲れきった
上、自宅からドックまで長距離を進む旅した彼らは疲れ切り、2人は結婚1周年
の前日を愛し合うどころか、お互いの腕を枕にして寝りにつこうとしていた。
眠りこむ直前にローリーはにっこり笑いながら考えた・・
明日は結婚一周年のおめでたい日ーここでジョンの赤ちゃんを授かればもう
最高!」
そして今、、産婦人科クリニックの看護婦は彼女に2日前のテストの結果を伝え
たのだ。ローリーは妊娠の事実に震えた。
(ああ、赤ちゃんは間違いなく、最初の結婚記念日当日に周遊船の航海中に授かっ
たのだわ・・ただし夫の子ではない・・・・・)
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