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ナオミ物語第5章 谷のスタイル

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谷は出演作に対する責任感が強いことで知られており、ひとたび

脚本に納得すれば、どんな極端なSMシーンでも文句を言わず演じ

きった。女優として働いていた12年間、彼女はビーチに行くこと

もなく、少しでも日焼けするかもしれない機会は徹底的に避けた、

と告白している。それは、女優として、常に非常に白い肌を維持し

鞭打ちや色つき蝋燭責めなどの際に、それらの効果を際立たせる

ためだったというから驚きである。1998年に谷は「女優としては

女性の裸体を官能的なオブジェクトとして見せるだけでは駄目で、

情念を表現できるようにしなくてはなりません。それで、私は谷

ナオミという女優の肉体を完璧な状態にできるだけ近くするため

に一生懸命でした。」と語っている。 映画に出演中に官能を感

じたことはなかったか、と問われるたびに、谷は演技の裏にある

芸術性を強調し、実際に性的恍惚状態にある女性の表情は官能

むしろ滑稽に見えるだろうと言った。彼女の言葉によれば、

「女優は自分ではなく、観客を興奮させなくてはならないのです。」 

そしてこうも付け加えた。「どうしたら観客の共感を得られるか、

私は谷ナオミの責めのシーンを担当する係りの人たちと真剣に話し

合いを重ねて、そのシーンが単に残酷であるばかりでなく、美

失わないようにすることに努めたのです」。そしてひとたび同意が

られれば、それがどんなに身体的に困難なものであってもなんとか

それを成し遂げる強い意志を谷は常に失わなかった。そのことが、

すでにご紹介したような、山本進也監督の有名な一言「谷ナオミ、

ありゃ化け物だよ」につながるのだ。

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彼女の演技力は、日本映画の主流をなす人々にも認識され、日本

映画の最高峰である日本アカデミー主演女優賞に2回、いずれも日活

ロマンポルノ作品でノミネートされている(黒薔薇昇天(1975)および

薔薇の肉体(1978))

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小沼 丹監督は女優谷ナオミを評して、「とにかく

特筆すべきは様式美だ。何の役を演じても、どんな仕草をしても、

その肉体と姿勢は少しも変わらず揺るがなかったー、すべてが完璧

な画像になった。」と述べている。Ian Burumaは、谷を その時代の

最も素晴らしいポルノスターとして紹介し、「猥雑さと神聖な母性の

結合」とみなしている。彼女の人気は、ふくよかな胸を上品な着物に

隠す、日本の母親にように見えることにあるという。大多数の男性に

とって、彼女は病気の男の子がその母親を求めるように、理想的な崇

拝の対象だったというのだ。彼女は緊縛された大地母神の化身であり

、未成熟な青年男性を救済するべく十字架を背負わされた救世主だった。

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