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烈女お雪の最期 第二章 淫獣の交わり

ふと気がつくとお雪は、薄い夜具の上にでんとあぐらを組んだ恰好で坐っている

銀次郎の膝の上へ両腿を左右に割った形で乗せ上げられていた。

銀次郎の背中一面に彫られてある閻魔大王の刺青は汗にてかてか光っている。

男の赤黒い肌の色と、お雪のゆで卵の白身のような粘りのある肌とが、奇妙な

対比を見せてうねり舞っているのを、房江や甚八達は陶然とした思いで見惚れ

ているのだ。

その部分をぴったり一つに連結させて、緊縛された裸身を銀次郎にしっかり

と抱きすくめられているお雪は男の一方の肩にがっくりと額を押し当てるよう

にし、揺さぶられるままになっている。心身共に打ちひしかれているような

そんなお雪が、何か身も心も捧げ尽した男に甘えかかっているようにも見え、

左近は満足げにうなずいて見せている。

「お雪殿、もっと旦那に甘えたらよかろう。おそらく夫修理殿は東奔西走、

ほとんど自宅に帰る暇もなかったはず。夫婦の夜の営みなど、ほとんどなかっ

たのではないかな?この銀次郎は修理殿とは似てもにつかぬ下郎の

薄馬鹿だが、その点だけは古今無双といってよいいわば傑物・・白菊隊の隊長

として薙刀で土佐や大垣藩の猛者を相手にしたお雪殿にもお似合いと存ずるが・・」

左近は、昔と今を比較されることが何よりも嫌いなお雪の気持ちを逆撫でするような

言葉で、かつて憧れの的だったお雪を嬲るのだった。

「左近さんのいうとおりだ。ただうんうんうなっているだけじゃつまんないよ。

あら、いいわあ、とか、ねえ、もっととか、女っぽい甘え泣きを聞かせてほしい

ものだね」

房江がからかうと、甚八もぐっと茶碗酒を飲み乾して立ち上がり、片手に青竹を

握りしめ、

「お座敷で白黒実演をやってる気持になるんだ。これはその時の稽古も兼ね

ているんだからな」

そら、もっとぴったり肌をすり合わせるんだ、と甚八がいうと銀次郎は片手

でお柳の官能味のある豊かな双臀を支え、もう一方の手で背筋に縛り合わさ

れているお雪の両手首をつかむようにしてぐっと自分の方へ引きこむのだ。


銀次郎がさらに深く自分に侵入すると、お雪は思わず、うっ、うっ、と鋭い

うめきを上げ、銀次郎のごつい肩先に無意識のうちに抱きつく。銀次郎は

それを合図のようにゆるやかで単調な反復運動を開始するのだ。

「そら、お雪殿。そなたも負けずに腰を振ってはどうだ。押さば引け、引かば

 押せというのは軍楽の基本であろう?」

お雪は、その言葉にはこたえなかったが、もう自分は色地獄に堕ちた女という

捨て鉢の気持で、銀次郎の腰の動きに合わせて肩先にまでまとわりつく長い

黒髪を大きく揺ざぶりながら自分もまた双臀をうねり舞わせる。乳色の柔軟な

肩から滑らかな背筋にかけてはたちまち汗みどろとなり、ニ匹の淫獣がからみ

あっているような、激しい営みが続くのだった。

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