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女肉配給株式会社 第2章 因縁

少し落ち着きを取り戻した彼女はこれからどこに連れて行かれるのか、
「女肉配給株式会社」に自分の美しい体を下請けに出すという自分自
身の決定が本当にそれでよかったのか反芻していた。

 すべては彼女の住んでいる街のソフトSMバーで、背の高い、筋肉
質の男から声をかけられたことから始まったのだ。エノレアは20台の
後半から10年余りも仕事一筋の生活にあきていた。

輸入雑貨の仕入れと販売をする地味だが、底堅い会社の社長として
すでに十分な貯蓄があり、将来に対する懸念はなかった。彼女自身が
手を下さなくても、非常に有能なスタッフがなにもかにもやっていた。

美貌の独身女性で財産もあるとなれば言い寄ってくる男は多かったが、
潔癖症でありながら、女の機嫌をとる男は大嫌いな彼女の眼にかなう
相手はなかなかいなかった。一つには、母親が暴力を振るう年下の夫に
嫌気がさして離婚し、女手一つで彼女を育てた、という育ちの影響かも
しれない。その母も今は亡く、彼女は天涯孤独の身の上だった。

人付き合いは悪い方ではなかったが、にぎやかなパーティで大勢の知人
に囲まれていても孤独感を感じてしまう、そんな性格だった。ソフト
SMバーと彼女はもっとも遠い関係のように思われるが、そこに集う
人々は皆孤独で、そこに彼女は引かれたのかも知れない。

ともかく彼女はこのままではいけないとあせっていたことは事実だっ
た・・しかし今の情況が本当に自分の望んだものなのかは定かではな
かった。バーで声をかけてきた男性は非常に横暴な態度で、言葉に独特
のアクセントがった・・どこかで聞いたことがある、どこだったかしら

・・必死に記憶を手繰った結果彼女の脳裏に浮かんだのは、驚いたこと
に父親だった。それだからこそ彼女は、引きつけられたのかも知れない。
ママもこうして出会ったの?こんな風に粗暴に扱われることが好きだっ
たの?エノレアは自問自答した。

どうやら図星ね。因果はめぐる、ってことかしら?近寄るには危険すぎ
ると、彼女の理性は考えたが、情念がすべてを押し流した。こうして奇妙
な夜の生活が始まったのだ。

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